社会貢献活動
2020年4月
新型コロナウイルス陽性反応の結果が出た事務所内での消毒
2011年7月11日
東日本大震災にかかわる害虫防除支援活動
気仙沼市階上地区・陸前高田市長部地区
2011年3月11日、東日本大震災が発生してから4ヶ月が経過した7月11日、岩手県一関市へ支援動員として愛知県ペストコントロール協会会員より8名が集結しました。
一関駅へは名古屋駅から東海道新幹線と東北新幹線を乗り継いで約5時間、一関市は東北地方の中部にあり、岩手県の南端にあります。
支援活動先となる気仙沼市や陸前高田市への沿岸部へは一関市から作業トラック車で約1時間半の道のりです。
宿泊施設が一関市駅徒歩圏内にある為、支援活動日の4日間は毎日一関市駅から支援先まで往復となりました。
作業トラック車には、容量1000リットルのローリータンク、動力噴霧器、ホース、拡散ノズルが積み込まれており2人1組で支援活動をします。
気仙沼市階上地区では、長磯浜消防屯所の防火水槽からローリータンクに1000リットルの水をポンプで給水し薬剤を投入します。
支援活動時はタイベックスーツ、ゴーグル、マスク、ゴム手袋、踏貫防止の中敷きを入れた長靴を装備して行います。
活動現場までは長磯浜消防屯所から作業トラック車で5分~10分の場所で、1か所は埋立地に大量の瓦礫の山となっている集積所の一画で高さ3m~10m近くまで積み上げられた漁業網やブイなどの瓦礫の消毒です。
もう1か所は広大な田んぼのところどころに1m~2mくらいに積み上げられた瓦礫などの消毒です。
2か所とも数えきれないほどのハエの大群で、作業トラック車のドアをしばらく開けているだけで20匹~30匹のハエが知らない間に運転席に入り飛び回っているくらいです。
また、魚介類の加工品がいたるところに散乱しており、磯の匂いと魚介類の腐敗した匂いが入り混じって一面に匂いが立ち込んでいます。
消毒をする瓦礫などは、ハエが大量発生している発生源を特定して散布します。
大量に発生している場所では魚介類の加工品から数100匹の大量のウジムシが生息しており発生源を抑制します。
1000リットルの消毒液を散布するのに約1時間撒き続け1日に2回~3回給水を行い、1日当たり約2500リットルを散布します。
ちょうど7月中旬は、連日真っ青な快晴で30~33℃のなかを支援活動していた為、数秒で滝のように汗が流れ落ち、マスクをしながらの活動の為、息苦しく時々「ぼ~と」意識が遠のくことがあるくらい大変でした。
陸前高田市長部地区では山に囲まれた山林地区にまで津波の影響が及ぼしており、海へ流れ出る川から津波が襲ってきたであろう痕跡がいたるところに見受けられました。
樹木や車、船にいたるまで様々なものが流れ込んでしまい跡形もなく無くなっている風景が、教科書でしか見た事のない戦後の風景と似ているのではないかと感じました。
短い4日間の活動中でも薬剤散布した後の状況を見て『ハエの発生が抑制されて少なくなっている』『大変助かっている』などのお話を伺うと少しはお役に立てたのではないか、喜んでいただける方がいらっしゃる事がうれしく感じました。
津波の被害に見舞われました被災者の方々にはお悔やみ申し上げると共に、今後もできるだけの支援を個人でできる限り取り組んで参りたいと思います。